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新着 TAMM 通信

2024年JEFA 日本・エストニア友好協会TAMM通信4月

     ◆◆◇ 活動報告  ◇◆◆

 

◆◆◇ 2024年度第1回エストニア文化セミナー

2024年度のエストニア文化セミナーは、登壇者が浜松の高校生ということで、特例として春休み中の3月中にオンラインで開催することとなりました。

 

 

SSH校(Super Science High School)の代表として「日本の教育現場を支援するアプリ開発」という目標を掲げてIT先進国エストニア研修旅行をしてきた、浜松工業高校の2年生(現3年生)が、その成果をセミナーで披露してくださいました。当協会事務局では、昨年来その旅程作成のお手伝いをしてきました。また、事前学習では北岡顧問が浜松を訪れ、エストニアの概要と実際にどんなところかを解説、生徒さんたちに訪問へのワクワク感を与えていただきました。
 

高校生4名と引率の先生が寒さ厳しいエストニアを訪問したのは、2月4日から10日と決して長くありませんが、中身の濃い体験ができた様です。 セミナーでのレポートでは、前半はパワーポイントで写真を示しながら研修旅行の行程を説明し、後半では体験して感じたことを一人一人しっかり発表してくださいました。

 

生徒さんたちの感想:

 

国の印象

・初めての海外で不安もあったが、事前にエストニア人は優しいと聞いていたので、安心して行けた。
   実際皆親切で、国も美しく、初めての海外がエストニアでよかった。

・エストニアは寒いと覚悟して行ったが、それほどでもなく過ごしやすかった。
   浜松の方が風があるので寒さを感じる。

・旧市街では冬であったせいか人が少なく、落ち着いた美しい街だという印象を持った。
   衛生面でも不安はなかった。

 

IT・教育

・最初に訪れたウレミステ地区で、まず建物から日本とのギャップを感じた。

・どこに行ってもITが充実していて、ITが発展すると過ごしやすくなることを実感した。

・エストニアの高校は普通校でも、さまざまな分野(IT・科学・生物教室など)の環境が整っていて、
   学習面でのレベルの高さを感じた。

・グループワークでは、個性あふれる意見が飛び交っていた。日本人ももっと積極的にグループワークで
  協調性を高めるべきだと思った。

・タルトゥ大学については、デルタと呼ばれる産学協同のスペースがあったり、自由に使える色々な
   設備があったり、自主的にものづくりをする上で良い環境が整っていて、豊かさを感じた。

・高校での生徒同士の対面は、初めはちょっと気まずかったが、アニメなどの話題から打ち解けた。

 

石川先生談

・教育レベルが高く、日本の抱えている問題は全て解決しているのではないかと感じた。

・日本はSSHなど特別な環境を作って科学的にレベルの高い生徒を育成しようとしているが、
   エストニアは特別なことをしなくても実現できている。

・日本の高校は大学入試に向けての勉強方法だが、エストニアの場合は普通校でもPCが充実していて、
   教育環境が整っているので日本も早くそれに近づいてほしいと感じた。

・日本の場合はタブレットを一人一台持てる様になったのは2年ほど前だが、
   問題は教師がそれに追いつけていないということ。

・エストニアはすでに個人でノートパソコンを使用している。

 

言語

・英語がちゃんとできないといけないというイメージがあったが、買い物とかは困らなかった。
   店員さんが優しく丁寧に話してくれて、おぼつかない英語でも会話が成り立った。
  でもプレゼンの質問には答えられない場面もあり、まだ足りないなと思った。

・土産物で店員さんが多言語を駆使して話していたので、驚いた。

 

食物

・黒パンは少し苦手感があったが、全体的にエストニアの食事は美味しかった。過ごしやすくて
  1週間快適に過ごせた。

・お米はパサパサしていて美味しくなかった。日本食が恋しくなった。

・日本大使館で出された日本茶に感動した。

 

エストニアを選んでよかったか?

・全員アメリカや他の国ではなくエストニアを選んでよかったと思っている。
   アメリカなど知名度の高い国ではインパクトがないが、エストニアの様なまだ成長途中の国を
    選ぶことによって他の人たちにエストニアの凄さをわかってもらえてよかったし、印象にも残ると思った。

・国土も小さいので色々なところに行くことができたためエストニアを吸収できてよかった。
   環境や人々が良かったために研修に集中できた。

                                        以上

 

北岡顧問からのコメント

エストニアと日本の関係については、エストニアの良さに以上に日本の将来のためにエストニアからの学びは大事だということに気づいてくれた。この気づきをもとにして日本のことを考えてもらうきっかけになっていたら嬉しい。

 

また会長からの今後のAIについての質問にも、真摯に答えていただき、今後のデジタル社会で活躍する若い人々にとって、このエストニア研修が実のあるものになったことを喜び、ますます友好を深めていく重要性を認識したセミナーとなりました。

 

浜松工業高校ホームページに今回の研修旅行のレポートが綴られています。(ページの下からストーリーが始まっています)


浜松工業高校ホームページを見る

◆◆◇ 北岡顧問山口大学で講演

山口大学が、エストニアのデジタル化を参考にしつつ地域振興を計画。キックオフ・シンポジウムで、当協会顧問北岡前駐エストニア大使が基調講演しました。

以下山口大学の広報からー
 

山口市は、2022年に「スマートシティ推進ビジョン」を策定し、デジタル化を基礎とするスマートシティの実現を目指しています。そこで重要になるのが、デジタル最先進国エストニア。すでに関係者がエストニア訪問を重ね、そのデジタル化の現状や歴史を学び始めています。

 

この計画を支援すべく、山口大学に、副学長をつとめる鍋山祥子教授を代表とする「持続可能な地域well-being研究推進体」が設置され、3月17日に、新山口駅に隣接するKDDI維新ホールでキックオフ・シンポジウムが開催されました。

 

鍋山代表の「研究推進体」の「ねらい」の紹介に続いて、当協会の顧問で、前駐エストニア大使の北岡元氏が「エストニアにおけるデジタル活用の現状」と題する基調講演を実施。山口県内のみならず県外からの参加者も得て、スマートシティ、デジタル化、そしてエストニアへの関心の高まりが感じられる機会となりました。

 

北岡氏よりは、「デジタル化は、最終的に組織やコミュニティの文化を変革し、上下左右で風通しの良い環境を実現する。これがデジタル化の最終目標のDX(デジタル・トランスフォーメーション)だ。それに成功したからこそ、エストニアは数多くのイノベーションを実現し、それが急速な経済発展の基礎となった。山口市も、デジタル化を進め、単に『便利です』というレベルを超えて、DXの実現を目指してほしい」と抱負を語りました。

◆◆◇ エストニア共和国独立106周年祝賀ランチ会

2月24日はエストニアにとって重要な日。1917年にロシア革命が勃発しロシア帝国が滅んだ後民族独立の動きが高まり、1918年のこの日に独立を宣言しました。自由戦争を経て、1920年にタルトゥ条約が締結され、翌年には国家として日本も承認しますが、1940年にソ連により再併合され、エストニア・ソビエト社会主義共和国を宣言せざるを得ない状況に至るまでの20年間は、平和な第1期の独立国家期間でした。その後半世紀に亘りソ連邦に吸収され、1991年に独立を回復しましたが、エストニア共和国としては1918年を独立記念日として、祝います。

 

今年は3月にツァフクナ外務大臣来日を控えていたため、当協会との祝賀会は理事・顧問と大使館の皆さんとのランチ会となり、ゆっくりと親交を深める機会となりました。

◆◆◇ エストニアンカフェRUJA+285BLUE 開店祝い

昨秋大阪中崎町にオープンしたYourMarks.incのRUJA+285BLUE(岩野さん・会員)のお店がさらに拡充して
エストニアの味を届ける、日本初のエストニアンカフェになりました。4月11日のグランドオープンに参加してきました。マルティンソン大使、エリクソン参事官はじめお店は祝い客でいっぱいになっていました。

 

オープニングセレモニーには大使によるお祝いの挨拶に続き、カフェのメニューとして、エストニア料理屋さんこと佐々木敬子さん監修の美味しいエストニア料理が振る舞われました。また、かとうかなこさんによるアコーディオン演奏や、来日中のEne Selartさんの出版本の紹介(後記)なども行われました。

 

お店にはエストニアのデザイナー商品がセンスよく並べられており、ゆっくりとランチやコーヒータイムを楽しみながら、エストニアのデザインハウスに行った気分になれる快適空間です。梅田から徒歩12分ほどのちょっとレトロな街並みにスタイリッシュなお店がポツポツと建ち始めている界隈でした。近辺にお住みの方、旅行やお仕事で大阪に行かれる方、ぜひ立ち寄ってみてください!

詳しくは PRTIMES

        ◆◆◇ お知らせ ◇◆◆

◆◆◇ 2024年度総会

 

新年度総会を下記のとおり開催いたします。総会後には会員同士の交流の場としてティータイムを設けております。普段なかなかお会いできない会員の皆さんとのコミュニケーションを図る楽しい時間にしたいと思いますので、できる限りご参集くださいますよう、お願いいたします。
 

日 時: 5月19日(日)  14:00-16:00                    

会 場: アレイホール (東京都世田谷区下北沢2-24-8アレイビル3F)

出 欠: eesti@j-efa.com  又は 返信ハガキ

会費(茶菓代): 会員 1,000円 学生会員 500円    
 

ゴールデンウィーク明けに総会資料を郵送いたしますので、同封の葉書にて出欠をお知らせください。欠席の場合は委任欄に記入してください。郵送にてお送りしますので、住所変更等ありましたら、
早急に事務局 eesti@j-efa.com までお知らせください。
 

ご協力よろしくお願いいたします。

◆◆◇ 2024年度第2回エストニア文化セミナー

第2回エストニア文化セミナーを下記の通り開催します。今回は在エストニア日本大使館に勤務した経験をお持ちの会員から、タリンでの生活や思い出を語っていただきます。多くの参加をお待ちしています。
 

日 時: 5月30日(木)  18:30-20:00
会 場: 渋谷区文化総合センター学習室6
タイトル: エストニアと私
講 師: 森 友梨氏 
    (日本貿易振興機構(ジェトロ) 調査部欧州課リサーチ・マネージャー)
内 容: エストニアに関わりを持ったきっかけ、仕事やフォークダンス等で
     親交を深めたエストニア滞在中の体験談など。
申込み: Peatix 
参加費: 会員 1,000円 学生会員 500円 会員外 1,300円  

 

今後のセミナーの予定
 

・7月  宮野恵里さん  (Tartu大学日本語師)  
・9月  篠原健仁さん  (株式会社INPEXソリューションズ上級研究員)
・10月 小孫啓太郎さん (陶芸家・エストニア訪問)
・12月 エストニア料理とクリスマス会 
 

日にち、講演内容につきましては、決まり次第お知らせします。

 

◆◆◇ カリユステ・セミナー 「エストニアの合唱音楽~ヴェリヨ・トルミスの世界~」

エストニアの合唱界の巨匠の一人、指揮者トヌ・カリユステ氏によるレクチャー。
昨年のVOX POPULIでもトルミスの音楽は日本の聴衆を魅了しましたが、世界にトルミスワールドを広めたカリユステ氏によるトルミスの解説を聴けるのはまたとない機会です。

チケット申し込み、詳しくは こちら
Wikipeida  トヌ・カリユステ
 

          ◆◆◇ トピックス ◇◆◆

◆◆◇ Ene Selart著書「エストニアと日本」出版さる

コロナ渦中の2021年のエストニア文化セミナーにオンラインで登壇していただいた、タルトゥ大学のエネ・セラルトさんが長年研究してきた両国の交流史をまとめた「エストニアと日本・19世紀から21世紀はじめまでの関係」が出版されました。セラルトさんによると、日本に関心を持ったきっかけは、祖母が大切に持っていた、日本人ペンパルからの絵葉書だったとか。100年近く前に日本人と文通をしておられたお祖母様の教養の高さが偲ばれます。

 



エストニアで日本が紹介されたのは1800年代初頭(江戸時代半ば)で、中央エストニアのバルト・ドイツ人クルーゼンシュテルンが1803年から3年をかけて世界一周した際が初めてで、1849年(黒船来)の4年前)には学校の教科書に載っていた記録があるとのこと。
エストニア語、英語、日本語で書かれたこの本は日本ではまだ販売されていませんが、エストニアの大手書店APOLLOの通販で購入可能です。
色々と興味深い史実を画像資料と共に書き記されている、価値ある一冊です。
 

APOLLOの通販はこちら

◆◇ ツァフクナ外務大臣来日

 

3月10日、エストニアのツァフクナ(Margus Tsahkna)外務大臣と議員一行が来日。翌日には上川陽子外務大臣との間で、約40分間日・エストニア外相会談及びワーキング・ディナー(約70分間)が行われました。

 

会談の内容は、外務省広報のページでご覧ください。 

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